「かさ木」は船の最後尾に取り付けて、帆柱を倒したときの受け台として、また舵を吊り下げるためにも使われました。その鳥居に似た造形は、丸子船をよりいっそう個性的に見せます。
 このような立派なかさ木は丸子船特有のものです。江戸で使用されていた「五大力船」にも、よく似た形状のかさ木が付けられていますが、直線的で機能重視のデザインでした。

「神與丸」のかさ木 「勢湖丸」のかさ木

「琵琶湖博物館の丸子船」のかさ木 左から「神與丸」「琵琶湖博物館」「勢湖丸」


 船の構造上、重要な部品である「かさ木」ですが、この形は船によって様々でした。上部両端の飾り方も、「神與丸」は羽を広げたような形をしていますし、「勢湖丸」は波をイメージしたようなラインで作られています。琵琶湖博物館の丸子船は直線的で機能美を重視しているようにも見えます。更に、かさ木の取り付けられている土台の部分に目をやると、堅田流である琵琶湖博物館の船のかさ木(右下写真中)は、「とびのお」の外側に張り出して取り付けられていますが、湖北型の神與丸(右下写真左)、勢湖丸(右下写真右)のかさ木は、とびのおの上に乗るようにして取り付けられています。


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北淡海・丸子船の館
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